2022年9月30日

「Skydio製ドローン」と「3D Scan」を用いた橋脚撮影の実証実験を行いました

株式会社ケノンソフト(以下ケノンソフト)は2022年9月、アメリカのSkydio社が提供する自律飛行型ドローン「Skydio 2」と、飛行支援アプリ「3D Scan」を利用して、橋脚撮影の実証実験を行いました。

障害物を認識し、衝突を回避できる自律飛行型ドローン

Skydio 2(図1)は、機体の上下に搭載された複数のビジュアルセンサー(カメラ)が機体の周囲360°を認識し、AI(人工知能)が解析することで、物体に衝突することなく自律飛行できるドローンです。また、非GPS環境下(位置情報が取得できない屋内など)でも運用できるという特徴があります。従来のドローンでは、例えば点検業務などにおいて、衝突リスクの観点から、構造物に十分に近づくことができないという問題がありましたが、Skydio 2は構造物に対してわずか11センチメートルまで近づくことができます。

図1 Skydio 2

物体を全方位から包み込むような自動撮影が可能

Skydio 2は、手動でも操作可能ですが、同社が提供する飛行支援アプリケーション「3D Scan」を用いることで、完全自律飛行が可能です。3D Scanを用いて、撮影したい物体の周りに仮想的な空間を設定すると、AIがその空間内にある物体の形状を推定し、それらの物体を撮影するために最適な飛行経路を自動算出します(図2)。その結果、物体を全方位から“包み込むような”撮影が行われ、物体を網羅する写真を取得できます。従来はドローン操縦士の技量に左右されていた撮影が、Skydio製ドローンと専用アプリケーションを利用することで、操縦士の技量に依存しない安定したものになりました。

図2 推定された橋脚の形状(黄色の部分)と、算出された飛行経路(白色の軌跡)

橋脚の三次元形状を綺麗に作成

今回ケノンソフトは、Skydio 2と3D Scanを利用することで、埼玉県毛呂山町にある「宮下橋」の橋脚を撮影する実証実験を行いました。実験では、ドローン操縦士が3D Scanを用いて橋脚の周囲に仮想的な空間を手動飛行によって作成し、さらに撮影方法などを設定することで、撮影を自律飛行で実施しました。取得された写真を、三次元生成ソフトで解析することによって、橋脚の形や色を高精細に生成することに成功しました(図3)。

図3 生成された橋脚の三次元モデル

ドローンによって土木工事のDX化を推進する

土木業界では近年、人材不足解消や労働負荷削減のために、ロボットやAIの活用が期待されています。今回の実証実験は、そういった社会的な実情に鑑みて実施したものであり、ケノンソフトは引き続き、ドローンを用いた事業を展開してまいります。ドローンの導入に興味のある事業者様は、お気軽にご相談ください。